海月

くらげ2


      寄る辺なく自閉の中に浮く水母


      いちめんは有象無象の海月とも


「海月」は何か詠んでみたくなる句材、だがいざ詠もうとするとなかなか難しい。
その海月を詠むコツを、俳句発想法のひらのこぼさんに知恵を拝借する。

海月に感情移入をしてみる

   ひとり泳げば水母とて淋しからむ   後藤比奈夫

   裏返るさびしさ海月くり返す   能村登四郎

なんの悩みもなく波間に漂ってみる

   水母にもなりたく人も捨てがたく   藤田湘子

   考へを止めて水母のごとく生く   上田五千石

海月から詩的イメージを広げる

   海月寄る夢の岸辺を埋めんと   対馬康子

   血のうすき女と浮かぶ海月かな   仙田洋子


   わだつみに物の命のくらげかな      高浜虚子

眼前にあるのはくらげだが、「物の命」によって原初の命そのものを私たちは見る
ことになる。
先行するものとして、漱石明治二十四年の句に、「朝貌や咲いたばかりの命哉」が
あるが、虚子はいわば、くらげによって命の句の決定版を作ってしまった。 辻征夫


海月の身体の98パーセントは水分であり、寿命の短い種類だと誕生後の数時間で
死んでしまうという。まことにはかなくも希薄な存在だ。


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こんばんは

 寄る辺なく自閉の中に浮く水母

毎日暑い日が続きます。
くらげ専門の水族館が人気だそうですね。
ゆらゆらと所在なさげなくらげの舞も美しいですね。

No title

凉さん

コメントありがとうございます。

くらげは本来自由で制限のない海を、漂って
いるものだと思いますが、凉さんが言われる
水族館の「枠」のなかで生きているくらげを、
今回、対象にしてみました。
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遊歩

Author:遊歩
あっという間に歳を重ねてしまいました。
せめて俳句への感覚は若くありたいと思い続けています。

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