夕涼し

a風鈴


      夕涼しふんはり母のきて坐り


「多作多捨」
俳句には多く作って多く捨てろという自分を鍛えるための教えがある。

多作と言えば、一茶をおいてほかになく生涯二万句を残している
寡作の芭蕉に対抗し、一茶はピエロと化して多作を楽しんでいるかのよう
にも思えるが、裏には両者とも相当の句が、捨てられたはずである。


   大の字に寝て涼しさよ寂しさよ    一茶

   涼風の曲がりくねつて来たりけり    一茶

   蟻の道雲の峰よりつづきけん     一茶


ただ多く作り、多く捨てればいい句ができるというほど、単純にはいかないが
少なくても俳句というものの、約束ごとや技術が身体に自然と身についてくる
はずである。

捨てる方法で一番いいのは、先生や先輩方の選句眼に出合う句会であることは
間違いない。
ただし、選句されなくてもこだわりがあるときは、そのこだわりを大切にして、敢て
何も捨てる必要はない。

俳句は自分の感動やこだわりこそが、一番大事なコアなのだから

また、芭蕉の「舌頭に千転せよ」とは、捨てる技術と作る技術はイコールである、
そのことをも指し示しているのではなかろうか。


      百句棄て一句を掬ひ涼しかり


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Author:遊歩
あっという間に歳を重ねてしまいました。
せめて俳句への感覚は若くありたいと思い続けています。

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