遠花火

花火


      来た道やしまひ花火の音のして


花火の闇に明滅する火の光りを見ていると、いろいろなことが思い出される。


   別のこと考へてゐる遠花火   黛まどか 

   遠花火時代遅れの音届く    伊藤句麿 

   遠花火過去完了の返歌来し   佐藤詠子 


過ごして来た60数年間、たいがいのことは自分の思うようにやってきたつもりだが、
なにか来し方に不完全燃焼感が残る。

それはなぜか考えた時に思うのは、学生時代までの良き思い出、記憶は古いがゆえに
遠のき薄れ、鮮明に残っているのは質の違う勤め出してからの記憶が、新しくさらに
多いからに違いない。
その時代をいま思えば、なぜあんなに本気ですべてをつぎ込んで仕事をして来たのか、
当たり前のように、まるで仕事が生きがいのように働いてきた。

一定の充実感はあるのだが、仕事以外のこととのバランスがとれていなかったようだ。
ゆえに、いま考えればその期間が一種の「空白」に思えて、なんともすっきりしない
不完全燃焼感を抱えてしまったのかも知れない。

その時代に流れた時間は、それは記憶であって思い出にするものではなかったのだ・・


     来し方も余生も淡し遠花火



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Author:遊歩
あっという間に歳を重ねてしまいました。
せめて俳句への感覚は若くありたいと思い続けています。

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