花野

b夕暮れ


      夕づくや花野の中の岐れ道

      又一人失せもの探し来る花野


花野は、萩、薄、桔梗、吾亦紅など秋の草花が咲き乱れる野原のこと。
本義は、広々とした野や高原を指している。
花々が澄んだ光のなかで揺れ、明るく広大な野だ。

そこにはどことなく秋ゆえの淋しい感じも漂っており、秋風に吹かれる
花々には哀れをさそう趣がある。

花野とはいかにも文芸的な詩語で、昔でも口語としては使われなかったの
ではなかろうか。現在のパソコン等で「はなの」と入力しても「花野」と
変換するものはなかった。

おそらくは、和歌から発した雅語的な書き言葉だろう。
私など無粋者には使いにくい季語の一つであるが、雰囲気のいい季語だ。


     捨てました夢は花野のど真ん中   手塚逸山
 
     花野にて鈴振落とす哀れさよ    中村苑子

     花野ゆく夫なきあとの深帽子    福田葉子



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No title

夕づくや花野の中の岐れ道

すっかり秋が深まってきました。
静かな 岐れ道. 風の吹くままに
思い出の道、新たな道、
どの道を選びましょうか。

No title

凉さん

こんにちは
早いものでもう10月、俳句では晩秋の季語を
ひねっています。
なおさら、季節が早く行ってしまうような気が
します。
プロフィール

遊歩

Author:遊歩
あっという間に歳を重ねてしまいました。
せめて俳句への感覚は若くありたいと思い続けています。

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