水澄む

渓流


      一片の言の葉さがし水澄める


2017年9月26日朝日新聞夕刊(関西版)に「100歳の俳人、終わらぬ創作」と
題して、俳壇の最高賞蛇笏賞、詩歌文学館賞など、数多くの功績をお持ちの
俳人、後藤比奈夫さんを讃える記事が掲載されていた。

記事の中ではないが、ご本人の弁に、「振り返れば私の俳句生活は言葉探しの
旅であった」というのがある。

この先生は季題の本意に迫り、口語の文語調の表現に意を凝らすと共に、後年
「言葉の魔術師」と評された様々な言葉を探す旅に出、独自の表現方法を試みて
来られた方である。
その一部の俳句、作品を載せる・・

口語の文語調

  どこやらが冬どこやらが春の雲

同一季語の重なりの形

  空間に端居時間に端居かな

  花に贅落花に贅を尽くしたる

暗喩として

  蛞蝓といふ字どこやら動き出す

造語として

  草笛にわが青山河青月日

想像力として

  浮寝鳥覚めて失ふ白ならむ

  東山回して鉾を回しけり

新しさ、新鮮さ、思い切り

  鶯餅作りし人のキユービズム

  フアーザーズデイ純白の薔薇一花

  寄鍋といはずにブイヤベースとて

今年、満百歳の新春詠

  あらたまの年ハイにしてシヤイにして

後藤比奈夫さんには、朝日新聞でも紹介された最新句集「あんこーる」のほか
たくさんの句集が出版されている。
ご年配の方も若い方も、どの句集でも一度手にとられてはいかがか・・

私はこの先生の句に自分が作りたかった俳句の形が、ぼんやりと見えたような
気がしている。

この文と俳句は「俳句界」及び俳句結社「諷詠」の5月号に掲載された「諷詠」の
副主宰、中谷まもるさんの記事の一部を使わせていただいた。


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Author:遊歩
あっという間に歳を重ねてしまいました。
せめて俳句への感覚は若くありたいと思い続けています。

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