穴惑ひ

201710151450033f2.jpeg


      約束の一年は過ぎ蛇穴に

      穴惑ひ最終便が出てしまふ


愛知県に住む小学6年生、夏休みに近くの公園の清掃ボランティアに
参加した。自らの意思ではなく母親に言われてである。
その日、すぐ隣に80歳くらいのおばあさんが、テンポよく楽しそうに
草を取っている。
「この年になると草にも生命を感じてくるの。だから楽しくやらないと
草がかわいそう」と言う。
言葉は理解できるが意味がわからない。しかし子供ごころに、何か深い
ものを感じたらしい。
お母さんに聞くと、「年を取ればわかると思うわ」
この子は、草に生命を感じるとはどういうことなのか、しばらくその
ことばかり考えていたそうだ。

お母さんの教育方針は「命の大切さは草も人間も同じ、また老い先短く
なると、命の重さを、より感じるようになる。それをすぐに答えるのでは
なく、年を重ねてさまざまなことを経験する中で、自分で答を出せば
いいと思い、あえて説明しなかった」とのことである。

この子の感受性もさることながら、お母さんの腰の据わった教育方針
にも、共感を覚える。

うちの小学3年生の孫は、昆虫が好きで山や野に自分で見つけたものを、
写真に撮りブログにして、ネットに公開している。

草花よりも、命そのものである昆虫の生命にどう接しているのか、当然に
昆虫の生死を、いくつも見てきていると思うが、それをどう感じているのか、
それよりも孫の親、つまり私の子供はそうした孫の場面に、どう向き合って
いるのか、興味のあるところだ。


     いじめなしとは言わせぬぞ穴惑い   中尾和夫
 
     自在なる老いとはならず穴惑い    金丸秀子
 
     穴まどい今日が明日でもよい立場   佐伯虎杖 


にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ
にほんブログ村 俳句ランキング


スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

遊歩

Author:遊歩
あっという間に歳を重ねてしまいました。
せめて俳句への感覚は若くありたいと思い続けています。

最新の俳句
季節の分類
頂いたコメント
リンク
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
検索フォーム
QRコード
QR