溪紅葉

山紅葉
ネット画像

       恐ろしきまでの天然渓紅葉


かの詩人清水哲男さんに、数多ある紅葉句のうちでも秀抜な一句であると
言わしめた句の鑑賞

      かたつむり紅葉の中に老いにけり   大串 章

実見だろうか。実見にせよ想像にせよ、いまの季節にかたつむりに着目した
センスの良さ。紅葉との取り合わせが、実に鮮烈だ。俳句に限らず、こうした
センスを生かせる能力は天性のものと言ってよいだろう。
勉強したり努力したりして、獲得できるものではない。ここらへんが、人間の
面白さであり味である。紅葉の盛りのなかで、かたつむりがじっとしている。
梅雨ごろにはノロマながら這い回っていたのに、いまは死んだように微動だに
していない。かたつむりの生態は知らないけれど、寒さのゆえにじっとして
いるというよりも、作者は老いたがゆえだと断定する。根拠は無い。
無いが、その様子にみずからの老いてゆく姿(このとき作者は五十代後半)を
投影して、近未来の自分のありように重ね合わせている。
これは頭ででっち上げた詠みではなくて、ごく自然に口をついて出てきた
それである。章句の良さは、情景から思わずも人生訓などを引き出しそうに
なる寸前で詠みを止めてしまうところだ。
最近は、とくにそう感じることが多い。これもまたセンスなり。


辣ァ邏・痩_convert_20171102141633
ネット画像

       水ナ底の水に揺らめき照紅葉



にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ
にほんブログ村 俳句ランキング


スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

遊歩

Author:遊歩
あっという間に歳を重ねてしまいました。
せめて俳句への感覚は若くありたいと思い続けています。

最新の俳句
季節の分類
頂いたコメント
リンク
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
検索フォーム
QRコード
QR