干柿

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      母の忌やその日のやうに柿干され

      弔ひのあの日も母の吊し柿


まもなく、事故で亡くなった私の義母の命日がやってくる。
掲載の句は、その義母の忌日に際し詠んだものである。

前にこのブログで朝日新聞に掲載された100歳の俳人、後藤比奈夫さんの
ことを書いた。
その新聞記事の中に、昨年お亡くなりになったご子息のことが書かれてある。
ご子息も俳人である後藤立夫さん。残された辞世の句は

 ころはよし祇園囃子に誘はれて

この悲しいできごとを父、比奈夫さんは俳句でこう綴られている。

「危篤」
 露けしや淋しや何故に急ぐ

 急ぐならひとりで行けよ露の道

 土砂降りの雨紫陽花の毬に吾に

「逝く」
 手を握り笑つて露の訣れとは

 起し絵を見せて見送る仏かな

 疾く行けよお花畠に母が待つ

「初七日」
 愚やな祇園囃子に誘はれて

 涼しかり笑つて死んでゆきしとは

「三十七日」
 戻り来よ祇園囃子が聞ゆるぞ

いかがであろうか、不謹慎かも知れないが、俳句の「コト」を伝える力を、
改めて教えていただいた一連の句であった。

この後藤比奈夫さんの句は、朝日新聞でも紹介のあった8月に発行された
句集「あんこーる」の中に掲載されている。


なお私の句のあの日の「干し柿」は、今も実家の冷蔵庫に数個残されている。


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Author:遊歩
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せめて俳句への感覚は若くありたいと思い続けています。

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