麦秋

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   麦秋や近江のやうな蒙古斑

   二番線越しに広がる麦の秋

   村ぢゆうに風の騒めき麦の秋


麦の秋は秋の文字を含みながら、夏の季語。麦の穂が熟すこの
時期を、実りや収穫のシーズンである秋になぞらえて使っている。
竹の春(秋の季語)や、竹の秋(春の季語)なども、このなぞらえを
した悩ましい季語だ。
実景を詠むことはもちろん「むぎあき」「ばくしゅう」と読んで、この
季節の印象、心象を詠むことも。


小津安二郎映画に「麦秋」がある。
この監督は、小津調と称された独特の映像世界で優れた作品を世に
出した。
ご存知のように、小津映画にはさしたるドラマ性はないが、どこでも
ありそうな日常をきめ細かく、丁寧に描く映画を撮りつづけた。
ストーリー性よりもディテールの描写を大切にするところは、俳句の
写生に似ている。
映画のタイトルに麦秋の他、早春、彼岸花、秋日和、秋刀魚の味など
季語、季節の言葉が多いのも、俳句への親しみを感じさせる。

亡くなられて53年経つそうだが、日本映画の一時代を作った監督で
あった。

小津安二郎監督は百以上の俳句も残している。一部、紹介する。

 一人身の心安さよ年の暮
 ぬかるみに梅が香低う流れけり
 わが恋もしのぶるままに老いにけり
 行水やほのかに白し蕎麦の花
 小田原は灯りそめをり夕心


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おはようございます。

村ぢゆうに風の騒めき麦の秋

おはようございます。
小津安二郎監督の「麦秋」懐かし映画です。

子供のころは広がっていた麦畑も
今は姿を消して、東京のベットタウンとなり、
住宅地になってしまいました。

凉さん

いつもコメントありがとうございます。
麦畑、見なくなった風景ですが、私の故郷の
筑後平野には、今でもすごい規模の麦秋があります。
3〜4日後に、その麦の秋を書きますので、また読んで
やってください。

麦秋

蒙古班 → 近江のやうな →その中に琵琶湖状の薄れ→その中にまたくっきりと竹生島 うーん!

二番線→ 松本清張の点と線 → 東京駅から地方に飛んだ刑事のローカル駅での目 → 麦の秋

小津映画 → ローアングルのカメラの映し出す原節子の憂愁
東京物語で笠智衆が東山千枝子につぶやいたセリフ。 「本当は孫でなく娘が可愛いんだよね」 わかるかな?わかんねえだろなあ。
ほなな。 おやすみ。 又

又三郎さん

コメントいつもありがとうございます。
蒙古斑の句、近江か琵琶湖か掲載句を迷いましたが、
麦畑と近江の関係性を外せないと思いましたので、
近江を選びました。
二番線、こういう読み方もあるんですね。
参考になりました。
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遊歩

Author:遊歩
あっという間に歳を重ねてしまいました。
せめて俳句への感覚は若くありたいと思い続けています。

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